クラウドストレージとオンプレミスの比較

公開日: 2023.06.03

更新日: 2023.06.03

今日のビジネス環境では、情報の保存とアクセスの方法は極めて重要な要素となります。ここで重要となるのが、データを保管するための2つの主要な選択肢、すなわち「クラウドストレージ」と「オンプレミスストレージ」です。それぞれの特性とメリット、デメリットを理解することで、動物病院がどちらを選択すべきかを判断する助けになるでしょう。

オンプレミスストレージ

オンプレミスストレージとは、物理的に医療機関内にデータセンターやサーバーを設置し、データを保管する方式を指します。要するに院内にサーバーを設置する方式です。長年にわたって、これがデータ保管の主流でした。

メリット:

  1. ある程度自由にできる:全てのデータが自分たちの物理的な施設内にあるため、完全なコントロールが可能です。このため、データセキュリティに対する厳格な要件がある場合には有利です。また、費用面についても故障などが発生しない限りはコストが固定化されます。
  2. カスタマイズ可能:自身のサーバーを保有していると、具体的なニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。例えば新しい新しく導入したいソフトウェアなどがあれば比較的自由に導入することが出来ます(サーバーの納入業者によります)

デメリット:

  1. コスト:設備の導入、維持、アップグレード(更新)には大きな費用がかかります。また、専門的なITスタッフの雇用や専門業者に対する保守契約も必要となる可能性があります。場合によっては機材が入らない・重量がありすぎる等の理由で工事等を行う必要がある場合があります。
  2. 可用性:災害や故障が発生した場合、データへのアクセスが制限される可能性があります。

クラウドストレージ

クラウドストレージは、インターネットを通じてデータを保存・アクセスする方式です。クラウドプロバイダーは、データを安全に保管し、必要に応じてデータを閲覧したり取り出したりすることが出来ます。

メリット:

  1. コスト効率:導入費用が必要なく、使用した分だけを支払うため、予算管理が容易です。また、サーバーのメンテナンスやアップグレードに関するコストも節約できます。サーバー維持の殆どの作業を行うことなく、またサーバーの老朽化に伴うリプレイスも不要です。
  2. スケーラビリティ:需要に応じてストレージ容量を増減させたり、性能を自由に変更することが可能です。オンプレミスの場合は、サーバーにかかる最大の負担に合わせて機材選定を行う必要がありますが、クラウドの場合は負担がかかる時だけ、一時的に性能を上げるなど柔軟に対応できます。
  3. アクセシビリティ:インターネットがあればどこからでもデータにアクセスできます。これにより、新たにデータにアクセスしたいPCがあった場合、必要なソフトやデータのダウンロードなど初期セットアップの殆どの作業を必要としません。単純にアクセスすれば使えるようになります。
  4. ディザスターリカバリー:クラウドサーバーは通常、データを物理的に複数の場所にバックアップするため、災害や故障、障害が発生してもデータの喪失を防ぐことができます。

デメリット:

  1. 依存度:クラウドプロバイダーにサービスを依存することになるため、そのプロバイダーが経営不振に陥った場合やサービスを停止した場合などに影響を受けます。
  2. インターネット接続:データにアクセスするためにはインターネット接続が必要となり、接続が不安定な場所では利用が難しくなることもあります。また、インターネットが使用不可能な環境では、ネットワーク機器に特殊な設定を行う必要があります。

これらの特性を踏まえて、動物病院がどのストレージを選択するべきかは、その病院のニーズによるところが大きいです。信頼性、コスト、扱いやすさ、セキュリティなど、自身の病院にとって重要な要素を検討し、院内全体の情報設計を行うことが求められます。また、それぞれの選択肢のメリットを最大限に活用するためには、専門的な知識と経験を持つITの専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

クラウドストレージ vs. オンプレミスストレージどちらにすべきか

クラウドストレージとオンプレミスストレージの選択は、動物病院のニーズとどのようなことを達成したいかという目標によって異なります。両方の選択肢が提供するメリットとデメリットを検討することが重要です。

クラウドストレージは、コスト効率、拡張性、扱いやすさ、および災害や障害からの復旧が容易であるというメリットがあります。しかし、適切な設定を行わなければ、セキュリティとプライバシーに対する懸念があり、インターネット接続の信頼性について心配がある場合、オンプレミスストレージが適しているかもしれません。

最終的には、動物病院が抱える課題とニーズ、そして利用可能な前提条件や予算に基づいて選択を行うことが最善の方法です。そして、どちらの選択肢を選んだとしても、専門的なITサポートを得ることで、より効率的で安全なデータ管理が可能となります。

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